脅威の走塁

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大会6日目

今大会屈指の好カード2試合が行われた

東海大相模VS近江

明石商業VS花咲徳栄


この4チームは、全てがベスト4に残ってもおかしくないようなチームである


そんなチーム同士が初戦からぶつかる事になった


今日はその1試合

東海大相模VS近江の試合について少し書こう


先日の記事でも書いた通り、東海大相模は2年生トリオを含め、打線が強力である

アグレッシブベースボールというテーマを掲げ、超攻撃的なチームをつくってきた

予選でも連日の大量得点で圧巻の攻撃力を見せつけた


その攻撃に対し、近江は滋賀県予選で無失策という素晴らしいディフェンス力

エース林は登板した全試合で無失点という偉業を成し遂げた

決勝でも完封し、守り勝つ野球で滋賀を制して甲子園に乗り込んだ


この対照的なチームカラーの両者

近江林のピッチングが東海大相模打線をどこまで抑えられるかに注目が集まっていた


林は相模打線を3回までピシャリ

ヒットを許さず快調な立ち上がりを見せた


しかし、4回

相模の重圧に近江の守備が乱れた


打たれた訳ではない

捕らえられた訳でもない


走塁である

3回まで、相模は林の球を捕らえきれずボテボテの内野ゴロが多かった

その際、何かが起こるという思いから、一塁までの果敢な全力疾走を怠らなかった


その重圧が近江の守備陣には脅威となった


4回に1点、5回にも1点、6回には3点

得点のほとんどに近江の失策が絡んでいる


実際に近江の野手陣は試合後にこう漏らしている


「一塁に駆け抜けする全力疾走がプレッシャーになりました。今までやってきたチームとは違うなと感じました」


相模は練習の時から前の塁を狙う姿勢を崩さない

神奈川県大会は打撃が好調すぎて大量得点で勝ち上がったため、走塁という点にはあまりスポットは向けられなかった


しかし、そこには積極果敢な走塁技術があり、それが選手達に浸透している


普段から日常的ににやっているから大舞台でも普通にやれるのだ


「僕らは何かが起きる前提でやっている。やることをやっただけです」

東海大相模、門馬監督が試合後にポロっと漏らした言葉である


全力疾走

当たり前のようで難しい

出来ているようで出来ていない


今年の相模打線は本塁打を20.30本打てる打者がゴロゴロ並んでいる


その中でも、走塁というスランプや調子がほとんど関係ないところに重点を置いている


体格も良く、豪快に打って投げてのイメージはあるが、こういった泥臭さ、細かさも東海大相模の強さの秘密だろう


その積み重ねが、相手にプレッシャーをかけ、県大会無失策の鉄壁な守備陣を崩壊させた


終わってみれば6-1


近江としてみれば、ロースコアのゲームに持ち込みたかったと思うが、6失策が大きく響いた


エース林も粘り強くよく投げたが、東海大相模の驚異的な圧力に最後は力尽きた


この試合、日本一のバッテリーといっても過言ではない近江バッテリーを崩したのは、ホームランでも連打でもなく【走塁】であった


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