努力の証

f:id:nodamatv:20190823175823j:plain


なんなんだこのチームは

なんなんだこの監督は


準決勝で敗れはしたが、準々決勝までの3試合、全て一点差ゲームをものにし、劇的な勝利を収めてきた明石商業


彼らの今年の野球は、何か見ている側にも高校野球の面白さを教えてくれるような戦い方であった


何通りもある得点パターン

ランナー3塁、カウント3-2からのエンドラン

流れを読み、意表をつくスクイズ

これ以上ないタイミングでの継投


結末がわかっているかのような采配、そんな雰囲気さえ感じさせられる


そして夏の甲子園初勝利を掴み、ベスト4まで上り詰めた狭間監督は選手以上に注目を集めている


軟式野球出身の狭間氏

軟式野球界では、チームを4年連続日本一に導いた名将であった

2007年からは明石商業の監督に就任し、それから約13

チームをここまで仕上げてきた


今大会での明石商業の快進撃は選手はもちろんだが、狭間氏の采配が大きく関わっている


派手なガッツポーズが有名になった狭間氏

大会関係者に注意を受けた程だが、そのガッツポーズには勝利への執念を感じる


何が何でも1点取る

何が何でも負ける訳にはいかない

そういう想いが溢れ出ている


敗れた準決勝では少し点差が開き終始履正社ペースだったが、最後の最後まで貪欲に勝利を求め、諦めない姿は高校野球回だけでなく、多くの人達のお手本となる姿だった


春のセンバツに続いて準決勝で姿を消したが、春以上に素晴らしい戦いぶりであったように思う

狭間監督の方針が選手に浸透し、選手はのびのびと大胆にプレーする

そんな印象が強い


そして選手の事を信じ、絶妙なタイミングで出すサイン

意表をつく奇襲が連日のように甲子園を賑わせた

高校野球ではあまり見ないが、ランナーを三塁に置いてのエンドランには私も見ていてとてもシビれた


兵庫県大会から何度も見せてきたスクイズ

外されること無く見事に成功させた


このような奇襲、まさに軟式野球で日本一を4度経験した狭間氏ならではの戦略ではないか


そしてその軟式野球での経験を高校野球で活かし、頭を柔らかくつかい、研究やデータ収集を小まめにし続けている努力の成果だと私は感じ


春のセンバツでベスト4になり、そこから夏までチームを立て直すのに苦労した主将重宮


春以降さらに自分を鍛え直し、心身共にレベルアップした姿を見せつけたエース中森


春の敗戦が糧となり、明石商業野球部は数ヶ月で全く別のチームとなった

そして再び甲子園で躍動した


私も何度か経験があるが、一点差ゲームでの緊張感はシビれるものがある

とても平常心ではいられない


そんな中、彼らは自分達の野球を全うし、明石商業の野球をやり続けた


101回目の夏

彼らの記念すべき甲子園初勝利、そして全4試合は高校野球界に語り継がれる戦いぶりであった

そしてその姿を見て何かを感じた人間は数千人、数万人はいるだろう


この夏、彼らが甲子園に残したのは勝利でもスクイズでもなく、明石商業の努力の証であった


2年生のメンバーが何人か残る新チームにも大いに期待したい



https://m.youtube.com/channel/UCU7YilmG0M42qXEDxNq3UZA