勝って涙

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今日は甲子園の話ではない


高知県中学校野球選手権大会


いわゆる中学3年生にとっての中学生活最後の大会である

その選手権大会が今年は節目の70回を迎え、優勝旗を奪い合う熱戦が続いた

そんな中、本日決勝戦が行われ、私もお世話になっている西部中野球部が野市中野球部と対戦した


試合は前半から動いた

2回に野市が先制し、続く3回にももう1点を加え主導権を握った


2-0とビハインドの西部は4回を終わってノーヒット

前日の準決勝でもノーヒットピッチングをしている野市のエース小松に完全に抑え込まれていた

しかし5回二死2塁から7番岡崎が左前適時打で1点を返す

2-1とし、更に西部打線が勢いに乗る

8番岡田が内野安打でしぶとくつなぎ、9番中田は四球を選んだ

二死満塁の大チャンス

ここで来たのが、投手ながら西部の1番を打つエースの中野だ

中野は自分が2点を失っていたという事もあり、この打席は唸る程に燃えていた


今大会、ピッチングよりも打撃の方が好調という彼は、好投手小松の失投を逃さなかった


甘く入った変化球を強振

真芯で捕らえた打球は右翼手の頭を超えた

走者一掃の逆転スリーベース


西部が5回に一挙4点を挙げ、逆転に成功した


西部中川村監督は、野市中エースの小松はとてもいい投手で簡単に点は取れないと踏んでいた

ただ、前日にも力投している小松は必ず終盤に疲れを見せ、甘い球が増える

その時に必ずチャンスがくる


試合後に尋ねると、試合前からそういう考えであったそうだ

さすが川村監督といったところだろう


普段から私は、川村監督の野球観などを聞かせてもらう事がある

走塁技術やポジショニング、細かなところまで勉強し、自チームの選手の能力を把握して、選手に合った指導に繋げている


そんな川村監督の分析、読みが見事に的中

後半で試合をひっくり返した


西部中野はランナーを出しながらも、粘りの投球で、4回以降野市打線に点を許さなかった


監督の読み、そしてそれに見事に応えた西部が初優勝を飾った


試合後

クールダウンのキャッチボールをする西部バッテリー

キャッチャーの主将宮内の目からは涙が溢れていた

私も宮内とは喋った事があるが、彼は本当に野球が好きで、素直な人間である

大会でも緊張はなく、試合する事がとても好きで楽しい


そう語る彼は、主将として1年間チームを引っ張ってきた

更にはキャッチャーとして、3番打者として、彼にしか分からない重圧と戦ってきた

この試合、劣勢の場面でも仲間を鼓舞し、ベンチでは1番大きな声を出していた


その努力が形として報われた瞬間、自然と彼の目には涙が溢れた

勝って泣けるのは本当に幸せな事だろう


2年半、ほとんど遊びにも行けなかっただろう

土日がなくなり、お盆がなくなっただろう

どんな時でも常に野球に向き合い、どんな時でもバットを振り続けただろう


今日の決勝戦私は両チームの選手から素晴らしい試合を見せてもらった

勝戦らしく、熱くしびれる展開


その中で中学生活最後の試合をやり遂げた彼らの表情は自信と納得で満ち溢れていた


そして今日のプレーを間近で見ていた1.2年生の目にはとてもかっこいい3年生の姿が焼き付いているだろう


初優勝を手にした西部中野球部、そして最後まで勝ちを諦めなかった野市中野球部のみんな、こんな試合を見せてくれて本当にありがとう!!


そしてこれからも中学野球が発展し、熱を持った選手が増える事を私は願っている


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