怪物の女房役
高校野球史上最速163キロを叩き出した佐々木朗希
今や、野球ファンでなくても注目する程の存在になってしまった
先日の決勝戦での登板回避でも、
そんな佐々木に注目が集まる中、
彼はこの1年、
甲子園
佐々木がいるからこそ目指せる
佐々木がいるからこそ行ける
その想いが女房役の心に火をつけた
新チームになり佐々木のスピードはますますアップし、
このままでは捕れない
彼はそう思い、新チームが始まるとすぐに捕球練習に入った
スピードボールはもちろん
140キロを超えるスライダーやフォークボールを捕る練習を続け
ワンバウンドでも絶対後ろに逸らさない
際どいコースをストライクに見せるキャッチング
来る日も来る日もボールを止め続けた
多い日には100球以上
何度も体にボールをぶつけながら彼は毎日のようにその練習を繰り
練習は身を結んだ
佐々木を見に来るスカウトや関係者からも、
佐々木が投げる時は佐々木の球を受け、
3ヶ月でミットの紐はボロボロ
それだけの練習をひたすら続けた
そして迎えた夏
自信をつけた彼はワンバウンドの変化球も全て止めた
佐々木と組んだ4試合、無失策でチームに貢献した
それまでは変化球のサインを出す時に、
しかしこの1年、
自分のチームのエースがこれ程注目され、
その球を受ける自分が成長しないと佐々木にも迷惑がかかる
プレッシャーは人一倍あっただろう
苦しみも恐怖もあっただろう
しかし彼は逃げなかった
出来ることを見つけ、そしてやり続けた
佐々木ほどの大投手を1年間支え、一緒に成長してきた
2人の物語は幕を閉じたが、怪物の女房役としての経験は彼の心に刻まれた
1年間これ以上ない努力を重ね、
〝 やってやれないことはない 〟
彼はそれを姿で見せてくれた
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